デザインとコミュニティ

これからの社会を担っていく人材に求められるものは、観察力や分析力、発想力や企画力を伴ったコミュニケーションの能力と、思いを形にし、達成していく力を持つことではないか。
こうしたデザインの考え方とデザインの技術を学んだ人は、多様な地域や分野で大いに力を発揮できる可能性を秘めている。

デザインの力とは何か、デザインの力がコミュニティと関わった時、何が生まれるのか。
一章から六章を通して、「私」「私たち」からコミュニティ、社会へと繋がるネットワークと、その可能性について論じている。

著者4名は、それぞれが地域社会の中に自分の活動フィールドを持つ。
長年培ってきた活動経験をもとに、まちの中でデザインが果たしていくべき役割について考え、多くの人に伝えたいと思うことをまとめた。それぞれが関わってきた過去の先駆的取り組みの中には、今後の社会に生かすべきヒントがたくさん眠っている。

人の感じ方や思いには差があり、違いがあることで面白くもあるが、せめぎ合いも生まれる。
マーケティングや最大公約数的な発想ではなく、マイナスの局面をどんなアイディアで乗り越えていくのかが、デザイン思考の考え方のもとに見えてくるデザインの力が持つ醍醐味だろう。
次の社会を形づくっていくために、デザインのこれからの活躍に期待したい。

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《著者》
・上原幸子
  武蔵野美術大学通信教育課程デザイン情報学科コミュニケーションデザインコース教授
  NPO法人 砧・多摩川あそび村理事長
・齋藤啓子
  武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科教授
  NPO法人 日本冒険遊び場づくり協会理事
・朝比奈ゆり
  東京ボランティア・市民活動センター専門員
  武蔵野美術大学通信教育課程デザイン情報学科非常勤講師
・萩原修
  明星大学デザイン学部教授
  株式会社シュウヘンカ共同代表
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武蔵野美術大学出版社
240mm×185mm(B5に近いサイズ)
269ページ
  • 3,500円(税抜)