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よみがえる子どもの輝く笑顔 2015-001

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【本文より】

はじめに
子どもにとっての本当の幸せとは、「生まれてきてよかった」という実感を持てること

ボクは子どもたちに対して、たとえば「いい大学に入ってほしい」のような
何か「こうなってほしい」という具体的な期待を持ったことはない。
でも「生まれてきてよかった」とか、「生きてるって楽しい」とか、「自分ってなかなかイイじゃん」とか、子どもたちがそう思って生きてくれるといいなぁ、とは思っている。
将来どんな職業や地位につくか、なんていうのは、本質的にはたいした問題ではないのだと思う。何をして生きていようが、とにかく、「生まれてきてよかった」と思ってくれるように……。
それはもう「こうなってほしい」ではなく、“願い”なのだ。

ただ、親の立場からすると、子どもが「将来どんなふうになっていくか」の部分は気になる問題だろう。
でも、「生まれてきてよかった」と、そういうふうに思えることほどいいことはない。やっぱり、一回しかない人生だし、
それこそ自分という人間は唯一無二の存在なわけだから、「自分が生まれてきてホントよかった」「人生っていろいろあるけれど、だから楽しい」と感じられる人であってほしい。

でも、これが実は難しいことでもある。人にはいろいろな面があって、その中にはイヤな面もあるから、無条件で自分を受け容れることなんてなかなかできるものでもないからだ。
けれど、それも含めて、それもわかったうえで、「しょうがないじゃん、これが自分だから」「ま、いいか」なんて感じで、
自分をしっかりと正面から、しかも肯定的に受け容れられることが、一番の幸せじゃないかと思うのだ。
けれど、その難しい「幸せ」を感じられるような自分に育てる体験がある。それが、「子ども時代に十分遊びこむ」という体験だ。
夢中になって遊ぶ、その姿を大人が大いに喜び楽しむ。そんな体験が、その子の存在に根を生やさせ、自分自身を丸ごと肯定的に受け容れていく素地をつくる。
子どもが十分に遊びこむ。これはその子にとって、魂の体験なのだ。

天野秀昭著 すばる舎
2011年
A5判189頁

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